Adobe(アドビ)は9月13日に画像生成AIツール「Adobe Firefly」の一般提供を開始しました。
2023年3月に発表され、半年ほどのβ版期間を経てのリリースです。
Adobe Fireflyは、Adobeアカウントがあれば基本料無料でAIによる画像生成・画像加工ができるツールです。
今回はAdobe Fireflyで一般提供されている機能を試しに使用してみました。
サービスの概要と合わせて機能についてご紹介いたします。
目次
Adobe Fireflyとは
AI技術を活用して静止画像からビデオ・3D、クリエイティブ素材など幅広いメディアをテキスト入力によって編集および生成できるWebアプリ・Webツールです。
また、同社製品のPhotoshopやillustrator、Premiere Pro、Adobe Expressと連携して活用することができます。
料金形態は基本料金無料/プレミアムプランの2種類。
生成クレジット数や透かしの有無、Adobe フォントの利用有無に違いがあります。
Adobe Fireflyは同社のAdobe Stockにアップされた許諾済み写真、一般公開のライセンスコンテンツ、著作権が消滅したパブリックドメイン画像などを中心に学習しているため、利用規約の範囲内であれば安全に商用利用が可能です。
そのため、AI生成で起こりうる権利侵害をしてしまう可能性が非常に低くなります。
現在Webアプリとして公開されているのは「テキストから画像生成」「生成塗りつぶし」「テキスト効果」「生成再配色」の4つ。
今回は写真背景をテキスト入力で作り替えることができる便利な「生成塗りつぶし」を中心にご紹介いたします。
生成塗りつぶし
生成塗りつぶし機能とは、背景を選択し、その背景をテキスト入力で指定した内容に塗りつぶした画像を生成できる機能です。
生成塗りつぶし機能はおおよそ次のような流れで画像生成ができます。
生成塗りつぶしの手順
1:加工する写真を選択する。
2:写真の変えたい背景部分をブラシで選択する。
3:2で選択した背景に塗りつぶしたい内容をテキストで入力する。
4:塗りつぶされた画像パターンが提案されたら好みの提案を選択する。
好みの提案がなければ再度生成・調整をする。
5:ダウンロードする。
加工する写真を選択する
Adobe Fireflyトップページの機能メニューから「生成塗りつぶし」の生成ボタンを選択します。
画像・写真のアップロード画面が表示されるため「画像アップロード」を選択し、編集したいイメージをアップロードします。
写真の変えたい背景部分をブラシで選択する
画像が読み込まれ編集画面が表示されます。
以下の機能を活用しマウスなどで塗りつぶし範囲を決めます。
選択した背景に塗りつぶしたい内容をテキストで入力する
範囲を選択すると、さらに下に入力欄が表示されます。
そこに背景に入れたい塗りつぶしイメージを入力します。
入力欄右側のメニューでは塗りつぶしに関する詳細設定ができます。
入力を終えたら「生成」ボタンを選択します。
塗りつぶされた画像パターンが提案されたら好みの提案を選択する
パターンが生成されたら好きなパターンを選択します。通常最初に3つのパターンが提案されます。
好みのパターンではない場合は①〜④を使って調整をします。
① | 最初に生成されたパターンが3つ表示されます。 |
② | 入力内容はそのままで別のイメージを生成します。 |
③ | 塗りつぶしがキャンセルされて塗りつぶすイメージ入力の編集画面に戻ります。 |
④ | 現在の背景生成を保持した状態で最初の編集画面に戻ります。 |
ダウンロードする
完成したら右上のメニューから「ダウンロード」を選択してダウンロードすることが可能です。
実際に生成した画像は以下の通り。
※灯台の初期写真はAdobeのサンプルよりお借りしています。
また、選択箇所の工夫次第で次のような塗りつぶしを実現することも可能です。
今までは専用ソフトを使って複雑な作業をしないと実現できないような加工が、誰もが生成塗りつぶし機能を使ってブラウザ上でたった1〜2分程度で終わらせることができます。
また、この機能は最新版Adobe Photoshopに標準装備されており、ブラウザ版Adobe Fireflyよりもさらに細かく正確な加工をすることができるようになっています。
※Photoshopはサブスク販売で利用することができます。
他に利用可能な3機能について
Adobe Fireflyには「生成塗りつぶし」以外にも、リリース済みで商用利用可能な機能があります。
・テキストから画像生成
・テキスト効果
・生成再配色
テキストから画像生成
この機能は生成したい画像のイメージをテキスト入力と簡単なオプション調整で作ることができる機能です。
同じような内容のテキスト入力でもオプション調整等で全く異なる仕上がりになります。
テキスト効果
テキスト効果は、出力するテキストを指定し、それを塗りつぶすイメージをさらにテキスト入力で指定することで、効果の効いた文字画像を生成できる機能です。
最初に紹介した「生成塗りつぶし」と似ていますが、塗りつぶし範囲が指定した文字になるという違いがあります。
生成再配色
生成再配色はベクター画像(SVG画像)をアップロードし、カラーバリエーションをテキストで変更できる機能です。
従来はパスごとに色指定する必要がありましたが、生成再配色を使うと入力1回でイメージに合うカラーバリエーションに変えることができます。
こちらはAdobe Illustratorでも活用することができる機能となっています。
※Illustratorはサブスク販売で利用することができます。
まだ公開されていない開発中の機能
上記リリース済みの4機能以外に、今後公開される予定の機能もあります。
簡単に機能名だけご紹介いたします。
・スケッチから画像作成
・3D から画像生成
・パーソナライズされた結果
・テキストからベクター生成
・テキストからパターン生成
・テキストからブラシ生成
・画像を拡張
・テキストからテンプレート生成
Adobe Fireflyはまだまだ進化し続けるAIツール
AIを活用したAdobe Fireflyはリリース済みの4機能に加えて様々な機能が追加予定となっています。
今回ご紹介した「生成塗りつぶし」はちょっとした画像編集にはもってこいのツール。
他3機能もイラストの幅を広げられ、作業の時短にもつながる強力なツールとなっています。
今後追加される機能がどんな活躍をするのか、とても楽しみです。
普段からこういったツールに触れているクリエイターの方だけでなく、あまり触れていなかった方もこの機会にぜひ体験してみてください。